「環境クレジット動向に関するレポートサービス」開始

サステナビリティ部門ご担当者様が知っておくべき情報・分析をまとめてご提供します 

アスタミューゼ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 永井歩)は、「環境クレジット動向に関するレポートサービス」を開始します。サステナビリティ部門ご担当者様が知っておくべき環境クレジットの業界動向や、有力プレイヤーの情報、環境クレジットに関する技術や先端研究を、レポート形式でご提供します。 

環境クレジットと聞くと、「カーボン・クレジット」については市場の整備が進んでおり、カーボン・オフセットに活用されるものとして思い浮かべる方も多いかと思います。ただし他にも、水、廃棄物、生物多様性などについてオフセットの考えが導入され、クレジット化が予想されています。 

このように急激に変化を遂げている環境クレジットにおいて、企業のサステナビリティ部門ご担当者様としては、情報を把握しきれないこともあるかと思われます。また、次々と新しい技術が生まれている分野でもあることから、自社の保有技術を活用することで、大きなビジネスチャンスとなる可能性も考えられます。 

そこでアスタミューゼでは、環境クレジットのグローバルな業界動向とともに、有力プレイヤーの情報、環境クレジットに関する技術や先端研究をまとめたレポートサービスをご用意しました。サステナビリティ戦略に携わる方の情報のキャッチアップをサポートするとともに、サステナビリティ戦略を経営戦略として他部門を巻き込みながら推進するための材料をご提供します。 

レポーティング内容 

▼環境クレジットのグローバルな業界動向
▼有力プレイヤーリストと関連情報
▼環境クレジットに関する技術情報・先端研究情報
▼パラダイムシフトを起こす可能性を秘めた技術情報・先端研究情報

以下、サンプルレポートとなります。 


環境クレジット動向サンプルレポート~カーボン・クレジット~  

はじめに 

近代の社会・経済活動は、化石燃料を消費することで大きな発展を遂げました。その一方で、炭素排出をはじめとする環境コストは外部化され、経済活動の当事者が責任を取らない構図となっていました。 

このような外部不経済性を内部化、すなわち当事者に負担させるためには政府の介入が必要というのがこれまでの考え方でした。政府は法規制をはじめとする直接的手段とともに、市場メカニズムを活用した経済的手段によって、環境保全を目指すこととなりました。代表的なものとしては、炭素価格を予め設定する「炭素税」、許容排出量を予め設定する「排出権取引」があります。 

しかし、世界規模で気候変動対策への要請が高まったことにより、資本市場、取引先、消費者、NPO/NGOといった政府以外のステークホルダーが相互に関係しながら、企業に行動変容を促す新たな動きが見られています。こうした中で注目を集めているのが「カーボン・クレジット」です。民間主導によるボランタリー・クレジットを中心に、企業の取り組みが活発化しています。 

カーボン・クレジットとは

多くの事業者にとって、現時点では、CO2等の温室効果ガスの排出をゼロにすることは困難です。そこで、別の事業者、産業、技術領域の温室効果ガスの削減活動に貢献することで、自らが排出した温室効果ガスを相殺する(=offset)という考え方を“カーボン・オフセット“と呼んでいます。森林保護や省エネ技術、再生可能エネルギー導入といったプロジェクトがオフセットの対象になります。カーボン・クレジットとは、プロジェクトの結果として生まれる炭素吸収・除去/排出削減効果を取引できるよう認証したものです。

同じカーボン・プライシングの制度という点で「排出権取引」と混同されることが多いようです。排出権取引は一般的に、特定の組織や施設からの炭素排出量に対し、一定量の排出枠を設定し、その枠に排出量が収まるように市場などで枠を売り買いする制度を指します。政府等の規制の枠組みで導入されることが多く、排出総量が予め固定されることから、国全体の排出削減を目指しやすい制度と言えます。

カーボン・クレジットを活用したスタートアップ

2015年のパリ協定を契機とした第二次クリーンテックブームの中で、脱炭素・気候変動対策に取り組むスタートアップ企業が多数、設立され、ベンチャーキャピタル投資も急激に増加しています。カーボン・クレジットを活用したビジネスも例外ではありません。今回は、”カーボン・クレジット”、“カーボン・オフセット”をビジネスの対象として明記しているスタートアップ企業を弊社のデータベースから抽出しました。年ごとの設立数と資金調達金額の推移を図1に示します。

図1. カーボン・クレジットを活用したスタートアップ設立件数(折れ線グラフ、左目盛り)と調達金額(棒グラフ、右目盛り)

パリ協定が採択された2015年12月以降、関連するスタートアップ企業の設立件数は徐々に増えています。2021年に急減しているように見えますが、関連情報がデータベースに格納されるまでの時間差により、本レポート執筆時点(2022年6月)では、直近のデータにはまだ集計できないものがある可能性が高いとみられます。一方で、資金調達額は2018年から大幅な伸びを示しています。2021年には2018-2019年に設立された複数の企業が多額の資金調達に成功しており、世界的な脱炭素ビジネスに対する期待が反映されていることが窺えます。直近の資金調達情報が未だ参照できない可能性を勘案すると、2021年の投資額の急進は特筆されます。 

個別の事業内容を見ると、調達金額上位のスタートアップ企業には、植林や土壌への炭素隔離により生み出されたカーボン・クレジットを取引するプラットフォームの構築を進めるIT企業が多く、クレジットの源泉となる藻類燃料やバイオマスエネルギーを生産する企業もみられます。また、2018年以降に設立された企業には、カーボン・クレジットの信頼性を保証する技術を開発するものや、ウシのメタン排出を削減する技術によりクレジットを創出するものなどユニークな技術・アプローチをもつものがあます。 

Pachama(アメリカ)

総調達額:24.3M USD
設立年:2018

概要:大企業などに森林保全プロジェクトによるカーボン・クレジットを提供しています。リモートセンシングと機械学習を組み合わせて、森林が吸収するCO2の量をモニタリングすることで、購入したクレジットの有効性を保証していることが特長です。

森林地形における炭素吸収量視覚化の例 

出典:https://medium.com/pachama-blog/how-pachama-evaluates-forest-carbon-projects-799f6673303b 

FutureFeed(オーストラリア)

総調達額:20.0M USD
設立年:2019

FutureFeed社は、Asparagopsisと呼ばれる紅藻(海藻)を含む飼料成分、FutureFeedを開発しています。この海藻を含む餌を反芻動物に与えると、「げっぷ」として排出される、温暖化効果の高いメタンの発生を抑制する効果があるとされています。この飼料を流通させることによって、ウシなどの畜産農家は、メタンの排出削減に加えてカーボン・クレジット売買による収益の機会を得ることが見込まれます。

Asparagopsis(和名:カギケノリ) 

出典:https://www.future-feed.com/seaweed-production
乾燥飼料1kgあたり約5gのAsparagopsis海藻を加えると、メタン排出量が80%以上減少するとされる。

カーボン・クレジットにかかわる技術を分析するには 

今回、スタートアップ企業の動向を探るにあたって、”カーボン・クレジット”、“カーボン・オフセット”をビジネスの対象として明記しているものだけをピックアップしましたが、特許やグラントといったアイテムを用いて技術動向を見るためには、これでは不十分です。

図2に、炭素吸収・炭素除去を目指す(マイナスにする)カーボン・クレジットのバリューチェーンの概略を示しました。

技術的には
1.排気から、あるいは大気中から二酸化炭素を回収する
2.回収した二酸化炭素を輸送
3.回収した二酸化炭素を地下や海底に貯留する、あるいは再利用する
4.除去/排出削減効果を定量化し、取引価格に反映する
の各段階において必要な技術を分析することができます。

とくに上記1、2、3については、”カーボン・クレジット”、“カーボン・オフセット”に関連するワードが含まれていなくても、削減量、吸収量を定量化できれば、カーボン・クレジットに有用な技術と見なすべきです。

図2.カーボン・クレジットにかかわるプロセスのバリューチェーン 

アスタミューゼでは、スタートアップ企業のほかに特許、グラントを加えてカーボン・クレジットにかかわる技術を俯瞰できるレポートを提供します。さらに、水、生物多様性、廃棄物処理を対象とするクレジットについても分析結果をご覧いただけます。 

本件に対する問い合わせ

アスタミューゼ株式会社 広報担当  E-Mail: press@astamuse.co.jp 

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