様々な領域・産業において自社保有技術/特許を活用した炭素削減用途の可能性を調べる探索ツール、イノベーションサーチ(脱炭素版)の提供開始

アスタミューゼ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 永井歩)は、様々な領域・産業において自社保有技術/特許を活用した炭素削減用途の可能性を調べる探索ツールである「イノベーションサーチ(脱炭素版)」を開発し、提供開始することをお知らせいたします。

気候変動問題に対する世界的な関心が日ごとに高まる中、日本でも2020年10月、菅総理が2050年までのカーボンニュートラルを宣言し、炭素排出削減に貢献する技術開発・普及促進に向けグリーンイノベーション基金を立ち上げました。また、国内投資家の間でも脱炭素・低炭素への関心が急速に高まっており、今後、関連技術の開発・普及の一層の加速化が見込まれます。

こうした脱炭素・低炭素社会への急速な移行に伴い、あらゆる企業が対応を迫られている中、自社が排出する炭素削減に取り組むだけでなく、保有技術/特許をはじめとした無形資産を活かし、他社が排出する炭素削減に貢献することの重要性が一層高まっています。

アスタミューゼでは、特許/論文/ベンチャービジネス投資/各国政府の研究開発投資(グラント)情報等約7億件もの膨大な自社保有データベースに加え、多様なバックグラウンドを持つテクノロジーアナリストの知見ならびに機械学習を活用することで、様々な領域・産業での炭素削減に貢献できる将来有望な技術を俯瞰的/客観的に分析/整理しています。

これら炭素削減に貢献できる将来有望な技術に対して、企業が保有する技術/特許及び同特許の牽制先*の紐づきを可視化することで、技術/特許を起点として新たに展開でき得る用途を導出することができます。特に、異業種異分野を牽制している特許に注目することで、当初想定とは異なる用途での技術活用の可能性を導出することができます。

イノベーションサーチ(脱炭素版) アウトプットイメージ

例:某大手化学メーカー(A社)の保有技術を用いたイノベーションサーチ(脱炭素版)

縦軸:企業の保有特許(IPC分類に基づく整理)
横軸:アスタミューゼが独自に整理した脱炭素・低炭素技術領域(計40領域)

脱炭素・低炭素領域内の全ての牽制関係について、牽制元/牽制先特許が閲覧可能

〜イノベーションサーチ(脱炭素版)事例分析
燃料電池/蓄電池向け材料開発/提供もしている化学メーカーであるA社のイノベーションサーチ(脱炭素版)分析の結果、以下(1)(2)の例のように、CO2回収やバイオ燃料など当初想定されていた用途(燃料電池や蓄電池領域での活用)とは異なる、脱炭素・低炭素関連技術として活用可能性を導出することができます。 
(1)画像形成装置での利活用が想定されていた酸素透過性の低い包装材に関するA社特許が、二酸化炭素吸収/吸着/分離に貢献する二酸化炭素分離用の積層フィルムに関する他社出願特許を牽制 
(2)微生物を用いた排ガス処理装置に関するA社特許が、バイオ燃料の原料となる微細藻類の生産方法に関する他社特許を牽制 

このようなイノベーションサーチ(脱炭素版)を活用して、アスタミューゼでは事業会社、及び金融機関/投資家向けに、脱炭素・低炭素に関する以下のような支援を提供しています。

脱炭素・低炭素領域における事業会社、及び金融機関/投資家向け支援メニュー(例)

(1)事業会社向け

  • 自社の強みを活かしたR&Dテーマ探索/R&D戦略策定支援
  • 自社保有技術の用途展開案・新規事業案策定/事業戦略策定支援
  • 有望技術保有プレーヤー(ベンチャー、大学・研究機関等)探索/オープンイノベーション戦略策定支援

(2)金融機関/投資家向け

  • 脱炭素・低炭素関連ファンド組成/ポートフォリオ評価・リバランス支援/インパクト評価・投資支援
  • グリーンボンド/クライメート・トランジション・ファイナンス/グリーン・ローン組成・評価支援
  • 脱炭素・低炭素関連技術を有する企業抽出支援/ソーシングスクリーニング/脱炭素・低炭素技術DD

※牽制元:時系列的に先に特許出願された技術で、後発技術が特許出願された際に、拒絶引用などに用いられた特許
※牽制先:特許出願された技術が、先行技術の特許出願により権利化を阻害された特許

アスタミューゼでは、脱炭素・低炭素を含む様々な社会課題解決に向け、企業の無形資産を可視化することで、企業価値向上・発掘の支援をして参ります。